2019年11月20日(水)、大塚製薬さんより『ドライアイ』についての院内勉強会がありました。
※ドライアイとは?
涙の乾きなど涙の異常により、目の表面の健康が損なわれる疾患です。様々な要因により涙液層の安定性が低下し、目の表面に傷ができたり、眼不快感や視力低下を伴うこともあります。
※ドライアイの症状
目の乾燥感だけでなく、異物感・目の痛み・まぶしさ・目の疲れなど、多彩な慢性の目の不快感を生じます。
※涙の構造
涙は、油層、水層、ムチン層という成分から成り立っており、それぞれバランスを保つことで涙の安定性を保っております。ドライアイの患者さまは、この涙の状態が不安定になり、涙が蒸発しやすくなったり、眼表面に傷がつきやすくなります。
※目の表面の模式図
https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/dry-eye/functions-of-tears/ より
また、ドライアイの定義および診断基準の改訂(2016年) は下記の通りです。
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【ドライアイの定義】
ドライアイは、さまざまな要因により涙液層の安定性が低下する疾患であり、
眼不快感や視機能異常を生じ、眼表面の障害を伴うことがある
【ドライアイの診断基準】
⑴.⑵の両者を有するものをドライアイとする
⑴.眼不快感、視機能異常などの自覚症状
⑵.涙液層破壊時間(BUT)が 5秒以下
ドライアイの定義と診断基準 2016より
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次に、ドライアイ治療剤の『ムコスタ点眼液UD2%』についての説明もありました。
ドライアイと診断された患者さまに効能がある、ムコスタ点眼液UD2%は、ムチンの分泌/再生促進作用に加えて粘膜を修復・保護作用のある治療薬です。
ムコスタはもともと胃炎・胃潰瘍の薬で、消化管粘膜を保護修復する作用を持っています。ムコスタには涙液量を増やす作用はありませんが、眼表面でも粘膜上皮の機能を改善することができるそうです。
ムコスタ点眼液UD2%は、通常、1回1滴、1日4回点眼を続けると、約2週間で効果が出てきます。点眼直後~数時間後で苦味が感じられ、白色の懸濁液のため一時的に目がかすむことがあります。また、防腐剤が入っていませんので、CL上からも点眼可能です。
ドライアイ治療は「粘膜の治療」が鍵であり、継続して点眼することが必要です。
ドライアイかな?と 目に違和感を感じたときは眼科医にご相談下さい。