兵庫・淡路島で唯一入院施設を持ち最新設備による眼科治療・手術のできる病院 溝上眼科のブログです。

ハンフリー自動視野検査について

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4/12(水)ハンフリー自動視野検査について、院内勉強会がありました。

ハンフリー自動視野計

視野検査は、自覚検査ですので、患者様の体調や検査状況が結果に反映されます。

信頼性の高い良好な結果を得るためには、検査中の患者様の姿勢と3つの信頼係数が大切です。

『3つの信頼係数』とは

① 固視不良 (マリオット盲点に呈示した指標総数に対して、応えた回数で判定し、20%以上で信頼性が低くなります。原因は、眼が動く。額・顎がはずれる。説明不足です。)

② 偽陽性 (見えるはずのない光に反応した回数で判定、つまり器械音しか出ていないのに合図していて、結果においても閾値が40dB以上と異常な高感度で15%以上で信頼性が低くなります。原因は、説明不足や神経過敏です。)

③ 偽陰性 (見えるはずの明るい光に反応しない回数で判定、33%以上で信頼性が低くなります。原因は、居眠りや疲れによる集中力の欠如です。

私たちスタッフは、検査を始めるにあたり、「誰でも見えない光もありますので、すべての光が見えるわけではありません。」「音に惑わされないようにしてください。」「見えた光は、明るく大きな光でも必ず押してください。」と説明しておりますが、見えない光があることに対して不安に感じられる方や何がなんでもボタンを押そうと頑張ってくださる方もいらっしゃいます。

では、マリオット盲点とは?

視神経乳頭正常視野

眼底でいう視神経乳頭の場所にあたります。網膜内を走行する神経線維が1つに集まるところで、ここから網膜の動静脈が出入りしますので、網膜がありません。上右図の黒く塗られているところです。

当院では、閾値検査プログラムとして中心30-2と中心10-2を主に使います。

中心30-2(中心30度内6度・76点)・・・緑内障、視路疾患に有用!

中心10-2(中心10度内2度・68点)・・・(進行・早期)緑内障、黄斑疾患に有用!

検査結果(単一視野解析)について

視野の見方1視野の見方2

補足として⑥ GHT(緑内障半視野テスト)・・・上半・下半視野各ゾーン比較において「正常範囲内」「ボーダーライン」「正常範囲外」「異常な高感度」「全体的感度低下」が表記されます。

今回の勉強会では、偽陽性が33%から15%に信頼度が厳しくなったこと。①~⑦の緑内障視野異常の判定基準についても学びました。

視野検査を受けられる皆様へ

視野検査は、診断するためにとても重要な検査です。より高い信頼性が得られるためには体調や姿勢が影響します。私たちもしっかりと丁寧に説明し、また、中心30-2では片眼5.5~10分、中心10-2では片眼4~8分と時間がかかりますので、休憩を入れたり注意掛けしながら行ないます。あらかじめ体調や特に眼の状態が悪い場合はお申し付けください。

視能訓練士K