兵庫・淡路島で唯一入院施設を持ち最新設備による眼科治療・手術のできる病院 溝上眼科のブログです。

院内勉強会【洗眼殺菌剤PA・ヨード点眼・洗眼液について】

2018年9月26日(水)、日本点眼による【洗眼殺菌剤PA・ヨード点眼について】の勉強会がありました。

PA・ヨード点眼・洗眼液とは

一般名:ポリビニルアルコールヨウ素液

禁忌:本剤又はヨードに対し過敏症の既往歴のある患者

組成・性状
[成分・分量]1㎖中にヨウ素2㎎、ポリビニルアルコール80㎎を含有する
[添加物]ヨウ化カリウム
[色・剤形]赤紫色・透明でやや粘稠な液体で、ほとんど無臭、無菌製剤

効果・効能:角膜ヘルペス、洗眼殺菌

用法・用量
(有効ヨウ素濃度0.2%の原液)通常、精製水又は0.9%食塩水で4~8倍に希釈して用いる

副作用:過敏症状、刺激感

使用上の注意
(1)角膜ヘルペスに使用する場合、10日間程続けても効果が認められない場合は、他の治療法への切替えを行うこと。
(2)アルカロイド、アルカリ、植物油、カルシウム、マグネシウム、水銀、その他の重金属を含む製剤とは同時に用いないこと。[沈殿を生じたり、分解を起こすことがある。]

取扱上の注意
[貯法]2~8℃
[使用期限]外箱及びラベルに表示
[注意]
①希釈後は気密容器で冷蔵庫に保存し、速やかに使用すること(ただし、洗眼殺菌に使用する場合は、調整後直ちに使用すること)
②点眼用、洗眼用にのみ使用すること

包装:20㎖×5

 

現在当院では、術後感染(眼内炎)予防のためにイソジン消毒液による消毒を行っています。

眼内炎とは眼の中で菌が増殖する病気で、眼科手術をする医師が最も恐れる合併症です。

今回の勉強会で、このPA・ヨード液とポピドンヨードは同一有効ヨウ素濃度であれば殺菌効果は同等であることがわかりました。また、眼科手術における術前減菌法に関する多施設共同研究でも有用であるとの報告があり、多くの医療機関で臨床使用されていることがわかりました。

消毒剤の微生物不活化効力に影響する因子として温度・濃度・時間があり、この3因子がPA・ヨードに与える影響や保存法が本製剤の不活化効力の安定性に与える影響など使用上の注意点についても詳しい説明をして頂きました。

大切な患者様の眼を守るためにも、今後も引き続き感染予防に努め安全な医療の提供を心掛けていきたいです。

看護師:M