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院内勉強会(緑内障とその治療)

 

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9月13日(水)、「緑内障とその治療」についての勉強会がありました。

1.緑内障の定義
緑内障は、視神経と視野に特徴的変化を有し、通常、眼圧を十分に下降させることにより視神経障害を改善もしくは抑制しうる眼の機能的構造的異常を特徴とする疾患である。

2.眼圧とは
眼球外壁は角膜・強膜・視神経で形成され、眼球形状を維持するために内圧がある。この眼球内圧を眼圧と呼ぶ。一般に10~21mmHgの範囲が正常眼圧である。

人の目には、 その球形を保つために、 房水(ぼうすい)という液体が循環し、眼の中の圧力(眼圧)を調節しています。緑内障になる要因の1つとして、この房水の排出に異常が生じ、眼圧が高くなり、視神経をいためている(障害されている)ことが挙げられます。 眼圧以外にも、緑内障の家族歴、加齢、近視、循環器系疾患や糖尿病になったことなどがあると、緑内障になる可能性が高くなるといわれています。

房水の流れ(イメージ)

眼圧に影響する因子
①全身状態
収縮期血圧が高いほど、眼圧が高い。肥満度が高いほど、眼圧が高くなる。
②季節変動
暑い夏より、寒い冬の方が眼圧は高い。寒暖の差が大きい地域に住む人ほど、季節変動は大きいといわれる。
③運 動
眼圧は運動の影響を受ける。運動直後に眼圧は一過性に下がる。その眼圧下降度は運動強度に比例し、運動量や運動時間の影響を受けない。

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3.緑内障の検査
①問診・・・初診時の問診、全身疾患の既往歴や薬物治療歴、自覚症状などについて
②細隙灯顕微鏡検査・・・角結膜、前房、虹彩、水晶体、隅角、眼底を観察する
③眼圧検査・・・角膜に一定の変形を生じさせるのに必要な力を測定する
④隅角検査・・・隅角鏡で隅角からの光を屈折させて観察する
⑤眼底検査・・・視神経乳頭あるいは網膜神経線維層の形態学的変化の検出
⑥視野検査・・・視神経乳頭変化に対応して特徴のある視野変化を検出

4.緑内障治療の原則
①治療の目的は患者の視機能維持
②最も確実な治療法は眼圧下降
③治療できる原因があれば原因治療
④早期発見が大切
⑤必要最小限の薬物で最大の効果
⑥薬物、レーザー、手術から選択

日本では、40歳以上の20人に一人が発症しており、視覚障害の原因の第一位と言われています。現在、8~9割の患者さんが未受診といわれており、失明を未然に防ぐためには、早期発見早期治療が大変重要であると学びました。

詳しくはこちらをご参照ください   

緑内障について http://www.mizokami-ganka.jp/shinryo/ryokunaisho/index.html

 

受付スタッフ S