平成30年2月14日(水)院内において
認知症の勉強会を開催致しました。
眼科は他科と比較して
圧倒的に高齢者の患者比率が高い科であり
おのずと来院される患者さまの
認知症を発症していると思われる方の比率も高くなります
患者様への検査や診察、投薬説明の際には
いろいろと工夫を凝らし、配慮させていただいていますが
もっと認知症を知ることで
よりよいアプローチが出来れば、との思いから
今回の勉強会を開催することになりました。
高齢者になるとほとんどの方が
何かしらの生活習慣病に罹患されているかと思いますが
生活習慣病と認知症は関連があり
生活習慣病の悪化に伴い認知症リスクが高まります
眼科的にも生活習慣病は深い関連があり
生活習慣病から発症した眼の疾患で
治療に来られている方も多数おられます
毎日患者様と接していても
生活習慣病が悪化している方に
認知症の症状である無気力(アパシー)や
記憶障害が見受けられることがあります
今回の勉強会で得た知識を生かし
認知症の方もそうでない方にも
わかりやすい接遇に努めたいと思いました
最後に雑記になりますが
勉強会での内容を記載させていただきます
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●認知症の医療目標
1日でも長く生活機能を維持
周辺症状の緩和
家族の介護負担の軽減
—進行を抑制させることが大事—
●おもな認知症は4タイプ
アルツハイマー型
脳血管性認知症
レビー小体型認知症
前頭側頭葉変性症
約70%がアルツハイマー型
アミロイドβやタウと呼ばれる
異常なタンパクが脳にたまり発症
—生活習慣病と関連がある—
(久山町研究より)
糖尿病は異常たんぱくの蓄積を助長
高血圧・脂質異常症・メタボリックシンドロームは血管性認知症の危険因子
●誰が変化に気づいたか
本人 4.3% 家族 73%
—本人が気づくのは難しい—
●アルツハイマー型認知症の症状
中核症状・・・認知症の誰にでも起こる症状
失認(品物などが何かわからなくなる)
失語(物や人の名前がわからなくなる)
失行(服の着方や道具の使い方がわからなくなる)
記憶障害(最近の記憶や出来事、行動を忘れる)
実行機能障害(段取りや計画が立てられなくなる)
見当識障害(現在の日付、時間、場所、人物などがわからなくなる)
周辺症状・・・症状に個人差あり
不安・抗鬱
意識減退
誤認
妄想
攻撃的行動
徘徊など
無気力(アパシー)が一番多く出る症状
早期より認知機能が衰える
●認知症治療の意義→出来るだけ軽度の期間を延ばす
治療を行うと進行がゆるやかになる
●投薬による治療
アクセルの役目を果たすもの
ドネペジル(アリセプト)
ガランタミン(レミニール)
リバスチグミン(イクセロンパッチ・リバスチグミンパッチ)
ブレーキの役目を果たすもの
メマンチン(メマリー)
●認知症の疑いがあれば、まずはかかりつけの医院で相談
→医療センターのもの忘れ外来に紹介してもらう
また、地域包括支援センターを利用して相談する
→地域のさまざまな資源と結びつくための手伝いをしてくれる
受付 A.N