兵庫・淡路島で唯一入院施設を持ち最新設備による眼科治療・手術のできる病院 溝上眼科のブログです。

院内勉強会(アイラミド点眼について)

2020年6月10日千寿製薬による「アイラミド点眼」についての勉強会がありました。

緑内障や高眼圧症の治療剤で、6月16日~千寿製薬より発売されます。

緑内障は、視野欠損を伴う進行性の視神経障害を特徴とし、適切に治療しなければ失明に

至る場合もあります。

症状はとしては、見える範囲が狭くなっていき、ほとんどの人は自覚症状はありません。

緑内障には、開放隅角緑内障、閉塞隅角緑内障、原発緑内障、発達緑内障、続発緑内障に

分けられます。

開放隅角緑内障・・・眼の中の水(房水)が詰まり、眼圧が上昇する

閉塞隅角緑内障・・・出口が塞がれることにより、房水が塞がれ、眼圧が上昇する

原発緑内障・・・なんらかの原因で眼圧が上昇する

発達緑内障・・・生まれつき眼の中の水が未発達であることが原因とされる

続発緑内障・・・外傷、網膜剥離、眼の炎症などによって眼圧が上昇する

40歳以上の5%が緑内障を発症しており、常に失明原因の上位を占めています。

緑内障の治療としては視機能を維持させ、眼圧を下降させないことです。

主な治療方法としては点眼薬や眼圧検査、眼底検査、視野検査です。

 

 

この「アイラミド点眼」は、緑内障配合剤の中では初めてβブロッカーが入っていない点眼で、

ブリモ二ジンとブリンゾラミドを主成分としています。

房水の産生の抑制と房水の排出の促進2つの効果で眼圧を下げることができます。

βブロッカーが含まれていると生理機能が低下し、心不全や気管支喘息などが起こる

可能性があります。

2種類の点眼を合わせた合剤の点眼を使うことで点眼の種類を減らし

さし忘れを減らすことが出来るが、今までの合剤にはβブロッカーが含まれており

心不全や気管支疾患のある患者様には処方できませんでした。

今回発売されたアイラミド点眼はβブロッカーが含まれていないことで、

点眼の種類を減らしたいが心疾患のある高齢者の方に処方することができたり、

他の合剤と一緒に処方することで2つの点眼で4種類の点眼液の効果が期待できます。

一度失った視野は元に戻ることはないため、自覚症状の出る前に早期発見することが大切

です。

緑内障は中途失明の原因にもなっているので、何か眼に不調が感じられたらすぐに眼科を

受診していただきたいです。

 

受付スタッフY