中外製薬による「バビースモ硝子体内注射液」についての勉強会がありました。中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性(nAMD)および糖尿病黄斑浮腫(DME)に対し製造販売承認を取得され、2022年5月下旬ごろ薬品承認されるとのことです。
今まで数種類の硝子体内注射液がありましたが、バビースモは、VEGF-A及びAng-2と特異的に結合する眼科領域初のバイスペシフィック抗体です。
特徴として、病的血管新生や血管漏出を引き起こす血管内皮増殖因子A(VEGF-A)に加え、血管不安定化シグナルとして働くアンジオポエチン-2(Ang-2)を同時に阻害し、血管を安定化させること1,2)で効果を発揮すると考えられているそうです。
視力改善とともに、16週の投与間隔による治療負担の軽減が期待できる製剤とのことで、当院でも加齢黄斑変性(nAMD)および糖尿病黄斑浮腫(DME)で困っておられる患者さんに治療していただくための準備をしたいと考えます。
事務次長 W
<参考資料:中外製薬ホームページより>
1)Regula JT, et al. EMBO Mol Med. 2016; 8(11): 1265-88.
利益相反:著者にはRoche株式会社(実験当時)、Roche Diagnostics GmbH、F.ホフマン・ラ・ロシュ社の社員が含まれている。
2)承認時評価資料:レーザー誘発脈絡膜新生血管モデルにおけるファリシマブの効果